高山の棚田

高山は丹波高原の南の付け根部に位置し、標高 450m~500mの高地に集落を構えています。
地学的には火成岩と水成岩の接触地に当たり、大変興味ある地域です。
先祖は…いつ頃からここ高山に住みついたのでしょうか? 正確な記録はないので分からないが…6 世紀中葉~7 世紀頃ではと、茨木市立清渓小学校清渓に記されています。

石堂ケ岡( 680.1m)から戸知山(525m)の谷間に扇状地ができ、先人達はここを開墾開拓に大粒の汗を流したようです。その成果として見事な石積みの棚田が誕生しています。棚田は等高線に沿ってつくられるのが一般的です。丁度、農のふるさと協力隊の保全管理地辺りが海抜 500m です。

高山地区全体は花崗岩(石英閃緑岩)の石(通称:高山石)で形成されています。この石の上に大阪層群(粘土等)・礫等が堆積しています。棚田の土壌は真砂土(砂・礫)が主です。
(注)真砂土は花崗岩(石英閃緑岩)が風化したもの。

棚田の定義

農水省の「水田要整備量調査」のデータ(1988 年、傾斜 1/20 以上にある水田が対象)を棚田と定義しています。
※傾斜 1/20 とは、水平方向に 20 ㍍進んだとき、1㍍高くなる傾斜のこと

・石積みの棚田…畦畔が石で積まれて形成されています。(高山地区、能勢町等)
・急斜地の棚田…1/6 以上の急斜面に築かれた棚田。
・土坡(どは)の棚田…畦畔が土で固められた棚田。
・海辺の棚田…海辺に多く、海面近くまで水田が及ぶ臨海型棚田。

棚田の役目

洪水の防止…降った雨は棚田に溜められゆっくりと時間をかけ、高山川に流れでる。
土砂災害の防止…地すべりや土砂崩壊防止
農村風景の保存…棚田は都会人の心の安らぎの場。叉棚田は高山地区の顔である。
五穀・野菜等の最適地…昼夜の温度差が大きく、棚田米、野菜等は美味しく人気が高い。
棚田の有効利用…フジバカマ苗の移植(200 株程)、旅する蝶(アサギマダラ)を飛来させる。

歴史的文化遺産

高山飛騨守・高山右近の生誕地であり、棚田は歴史的文化遺産です。高山の石高 271 石で、棚田も含まれています。