52  東の石燈籠

 

能勢電妙見口駅から妙見山への初谷川コースを進むと、府道477号の交差点左前方の吉川保育所から約200m先の右側に高さ2.6mの大きな自然石五段組をした立派な燈籠が鎮座している。全面には○の中に金、下 講中、右面には秋葉山(左)愛宕山(右)裏面には嘉永七甲寅九月吉日と刻まれている。

 なお、西の石燈籠は 現在吉川公民館の先の西にあり共に建立されたものと思われる。(高さ3.6mの自然石五段組、左から秋葉神社、天照大神、愛宕神社 献燈と刻んでいる 未調査、建立社、年)

 

吉川地区は過去三回、享保、天明、嘉永の各年に大火に合っている。特に嘉永5年(1852年)2月には住宅のみならず郷蔵、神社、寺等ことごとく焼失している。このため、金毘羅講の方々が防火・鎮火の神(迦具土神)を愛宕神社、秋葉神社より分霊を戴き、吉川地区秋葉山に祭祀する神社を建立し、更に上之町、下之町に日常的に祭祀するために石燈籠を建立したものと思われる。

なお、吉川愛宕神社・秋葉神社へは石燈籠前の秋葉山の裾にある右側民家の右から踏椴するか、裏手の老人ホームから踏椴してもいずれも12分程度で尾根に到達する。一間四方よりやや大きめの社に左に「秋葉神社」右中央に「愛宕神社」を祀っている。(建立年不祥、トタン張りから何度も補修を行ったものと思われる。)

 

 愛宕神社:京都府右京区愛宕町  愛宕神社の総社

      平安京築城後、都の西北を鎮る都城鎮護の神として朝廷に重んじられた。山の神として祀られる地方神であったが、修験者の手により全国に広まった。防火の神「火防神(ヒブセノカミ)」として祀られている。

秋葉神社:浜松市天竜区春野町(旧周智郡春野町)  秋葉神社の総社

     「山の神」の強い霊力により、剣難、火難等を祓い除く神として信仰されている。秋葉の修験者により全国に広まった

鎮火の神「軻遇突知神(カグツチノカミ)」(迦具土神では?)として祀られている。

     奉納物には古来から名のある日本刀が多い。